倅にかまけて



「子供は3歳までに一生分の親孝行を終える」


一年前、ただただ不快を訴えることした出来なかった倅が、今や喜怒哀楽を全身で示すようになりました。

泣けば火のようでしばし手におえません。
隔週ペースで風邪を引いて38℃を上回っています。
それでも笑顔で甘えてくるさまは何ともかわいらしいものです。

倅と遊び、どんなに泣かれても耐え、風邪を引けば看病し、遊べ本読め飯食わせろという要求に全力で答え、結果見せてくれた笑顔にメロメロになる時、この上なく幸せです。
子供は色んな意味で酔っ払いに似ていると言ったのは中島らもですが、不思議なもので酔っ払いの世話は嫌だけれど子供の世話は苦にならないんですね。

亡き父は大変子煩悩で良く世話をしてくれたと聞きます。
嗚呼父もこんな風に面倒見てくれたのだろうか、愛情を注いでくれたのだろうかと思うと、思春期を過ぎて父の愛情にあまり答えなかった事、父の依頼を無下に断ったこと、援助に対し感謝を返さなかった事、亡くなる数か月前に激昂してしまったことなどが頭に浮かび、なんと酷いことをしてしまったのだろうかと後悔の連続です。

いつか倅も同じように老いたワタクを邪険に扱うのでしょう。因果応報。
実際にそうなったらきっと悲しむんだろうなあ。でも、それでもいいのだと思うんです。
そう思えるくらい、子供との日々は賑やかで穏やかなもの。

息子よ、親孝行しようなんて思わなくていい。
元気に育ってくれれば十分だ。それで親孝行だ。
どうか健やかに、健やかに。  

Posted by Maktab. at 2014年08月08日00:06